スピリチュアル界隈で有名な女

聖書は誰かが見つける前からそこに存在して、

迷える小羊の皮を被った羊を待っている。んだと思う。

 

パッと見、探していたのは聖書の方で、

まんまと見つけられたのが俺かもしれない。

 

だから、あんたが俺を見つける前から、俺はあんたを知っていたし、

来るべき最高の出会いに興奮して、

何日も前から大統領みたいに宣誓のポーズで、ハイタッチを待ってたんだ。

 

そうやって何人もの道行く女性とハイタッチを交わし、

その社会的なムチ打ちに精神的な罰を受けたけど、

「握手をしたら仲直り」って、スクールカウンセリングよりも全然救われた。

 

そして、ベイビー、やっとあんたに会えたとき、

俺の感激は言葉じゃなく瞳からあふれていたから、

ノアの方舟っぽい大雨で助かったよ。

 

あんたはスピリチュアル界隈じゃ有名な夢見る夢子ちゃんだけど、

ずっと俺が現れそうな場所をワード検索しながら、

恋愛にも似た俺という都市伝説を待っていてくれたんだな。