純情選手権
そうか、また「どっちが純情か選手権」をヤル気なんだな。
よし!今日こそ、あの日あの時芽生えた恋心みたいに、
ハッキリさせやうじゃないか!
ほら、もう俺の純情リードから始まった。
そうやって、俺の切れのいい純情ジャブから
コーナーに逃げて、俺を迎え打とうとしているが、
豊かな懐にベッタリとくっつき、
純情らしく焦って勝負を決めにいく
今でも毎日そのボディーに見惚れて、
心を奪われている俺に、勝てる訳がないじゃないか?
あんたからの電話で、
尻ポケの携帯がブルブル震えると変な気持ちになる俺に、
死角なんて無いんだよ
勝算が角砂糖に群がるアリンコたちの注意力くらい甘いんじゃないか?
だが、あんたの言う通り、
そんなスイートな考えで勝負を挑むところが、高純情ポイントだ。
確かにそれは、
この罠と策を張り巡らせた純愛のリングでは、
テンカウントまでのいくつかの数字に値する
ここで最後の切り札である「俺の初めてはあんたなんだ」という、
必殺の純情アッパーを放ちたいが、
万が一にも「私もそうだけど?」という、
純情クロスカウンターを返されたら、
俺はもう昇天して立っていられないだろう
そこでベイビー、
あんたに抱きついてグリグリとクリンチでダダをこねては、
いつもこの選手権を有耶無耶にして終わらせる俺が、
やっぱり一番の純情くさいね