酔っ払った高級車

 

神様、あなたはなぜそんなにも俺のお願いを聞いてくれないんだ。

 

酔っ払った神父さんが高級車の窓から

「神様はいない!」って叫んでも、

俺には居ることがわかってるんだ。

 

隣の死にそうな年寄り夫婦にロトくじを当ててやっても、

俺のお願いは無視なのか?

 

俺はただ、いつか過去にメッセージが贈れたら、

お前にしちゃあ良くやった方だ、って言ってあげたいだけなのに。

 

あの頃の自分にしちゃあ命を奪う一大事だった、

今からすればミミズのタメ息より大したことのない友達とのイザコザも、

逃げたり立ち向かったりしてそれなりにやっていくんだろうけど。

 

「頑張れよ。お前がやらなきゃ俺はいないんだ。

そうやって未来は作られてるんだ」

って、カッコつけたい。

 

あと、2つだけやり直したい。

 

爺さんと婆さんと俺は最後のお別れだなんて思わなかったから、

普通に「バイバーイ」って帰ったけど、

ちゃんと大好きだって伝えさせて欲しい。

 

ああ、神様、あなたは本当にお願いを叶えてくれないけど、

それはそれでもういいんだ。

 

隣の夫婦はロトくじのせいで死にかけてるのに離婚して、

仲の良かったお隣さんは、

酔っ払いながら別々の高級車に乗っていなくなった。

 

死にかけのゴールまで人生ゲームを進めたのに、

抽選で艱難辛苦ボーナスを与えられるくらいなら、

こっちからお願いは取り下げるよ。

 

俺は俺でこの先を考えたら、

まあ何とかなっていくだろうって感じるし、

今日はママとオヤジにあって、

ちゃんと大好きだって伝えたいような気がするから、

もういいんだ。