シャーマンロック

 

大体の飲み屋で繰り広げられるのは、

下克上の口約束、栄枯盛衰の小話、因果応報の進捗報告だ。

 

あれはオジサンとお姉さんが集まった様式美を兼ね備えてる儀式で、

経済に貢献した労働の悲しみを昇華する魔術なんだ。

 

だから、あのお姉さんはホステスというよりシャーマンなんだ。

 

話し方も訓練されていて、くねくねと動き、

「私も何か頼んでいい?」って断れない社交辞令を挟んでから、

ボーイという従者に指示を出して、来客の疲れを癒してくれる。

 

変な形のライターを出す速度も、

来た時から点いていたんじゃないか?と思うほど早い。

(俺でなきゃ見逃しちゃうね)

 

ここじゃ大人になることの自由と、

泣いても許されなくなる悲しみを、

盛者必衰トークに合わせて自虐のリズムで盛り上がるんだ。

 

そうやって、浦島さんちの太郎氏も目じゃないくらいに、

楽しい時間は過ぎていく。

 

これがお気に召さないビジネス侍なんて、

傲れるものも久しからずに去っていくぜ。

 

え?それで、シャーマンって何の意味かって?

シャー!て言う人だよ

そうだね、シャウトだね。ロックなんだ。

 

だから、一晩中ロックで疲れたんだ。

もう寝ていい?