宛名のないラブレター
なあ、神様、一個だけ教えて欲しいんだ。
俺とあの人がもし上手くいってたら、今頃どうなっているのか。
あんたより偉い神様には内緒で教えて欲しいんだ。
だって、あんなに上手くいってたんだぜ?
あの人が12月なら俺はサンタだし、
あの人がラブレターなら俺は体育館の裏ぐらいには、
理想的なマリアージュだったんだ。
そうだ、一体どこで捻れたんだろう?
恋愛なんて古着でも選ぶように着回して、
色恋の達人ぶっていたくせに、女が使う
「何でもない」ほど「何でもある」、って、
めんどくさくて見送った。
それでも、プレゼントは
花束とジョークと手書きの感謝状を欠かさなかったし、
発情センサーだってバウリンガル並みにチェックを入れてたんだ。
なのに、今じゃあその顔さえ12月の空に思い描けないし、
ラブレターの宛名さえ忘れちまった。
あぁ、そうか、こんなに寂しいのに。
これでも上手くいった方なんだな。