股間金族

「AIだのロボットだのより、この時代にネクタイだなんて!

こんなものを先にどうにかしてくれよ!」

という、朝の食卓に忍ばせた布石により、

君へ「俺はネクタイが嫌いだ」と思い込ませることに成功しているはずだ。

 

いつか君に話した戦闘部族がするタイのことを覚えているかい?

 

コカンキン族の冠婚葬祭は男が股間にタイを下げるんだ。

そして、成人式や結婚式や祭りの最高潮には、

自らを奮い立たせてタイを揚げるんだ。

葬式で揚がりそうにないときでもアグラバイって

興奮作用のある実を食べてタイを高く揚げるんだ。

ってイカれた話しを君はとても気に入って、

友達に話しまくっていたし、ラジオを投稿しようとしていたね。

 

まず、俺を嘘つき呼ばわりする前に、

大人のレディはちゃんと話の真偽を確認するもんなんだ。

 

そして、君は今日、またひとつ大人の階段を上る。

ハッピーバースデー、おん、アースだ。

 

そして、そのコカンキン族のただ一人の末裔である俺は、

祭りである君の誕生日を祝って股間にタイを下げ、

君の帰りを待っている。

 

あぁ、でも、サプライズで君の両親を連れてくるんなら

先に言っておいて欲しかった。

 

ちゃんと君のパパのタイも用意したのに。