重めのライトノベル

深夜のパーキングで吸い込んだタバコは、

足から地面に吸い込まれていく疲労の味がした。

 

トラブルのせいで金曜の夜に高速をぶっ飛ばして、

仕事でなきゃ会いたくもない奴のとこにいき、

誰のためなのか頭を下げ、

飲みたくもない酒を飲んで、

笑えない話に相づちを打った。

 

次の日は休日だったけど朝から晩までトラブル処理をして、

また高速をぶっ飛ばして帰ってたら、

溜まった疲労がハンドルをセンターラインに寄せていた。

 

【そして、その時!】

 

だから、パーキングに寄って金曜の昼から取ってなかった休憩をした。

 

小雨のせいで肌寒い深夜のパーキングで吐き出す白い煙が、

流れ出ていく命に見えたよ。

 

「あぁ、でも、明日は一日休める。一日寝よう」

って思ったら、休みって何だろう?って考えたんだ。

 

休みってやつは、溜まった心と体の疲労を取り除き、

自分の好きなことをするんじゃないのか?って。

金曜の昼に買ったスポーツ新聞のエロチック欄にある、

セクシー女優の趣味であるB級グルメ巡りを思い出していたんだ。

 

【ついに、その時!】

 

俺はいつから気になった飯なんて食っていないんだろう?

近いからとか目についたからとかで店を決めて、

空腹だけを満たしている。

 

俺はいつから使いたいことに金を使ってないんだろう?

携帯が壊れたとか風邪を引いたとかの必要なことだけに、

金を使うようになった。

 

俺はいつから行きたいとこに行ってないんだろう?

平日は職場と家の往復で休日は日用品の買い出しや

次週の準備に追われている。

 

さっきまで俺が走っていた高速をぶっ飛ばしていく車を見ながら、

置いてけぼりにされるような不安は、

自分を自分で脅迫していた奴にしかわからないよ。

 

こんなになるまで自分を追い込んでるのに、全然楽にならない。

苦しくてもう限界なんて超えてるのに、

誰からも報われない現状に、どうにもできない現状に叫んだんだ。

気を失うほど叫んで、本当に気を失った。

 

で、その後どうなったかって?

 

次の日は丸一日眠って、月曜日はいつも通り出社して、

金曜のトラブルを上司に怒鳴られても自分が悪いって反省した。

 

なんにも変わらないよ。

生きながらにどんどん死んでいく気持ちにも気付かなかった。

 

唯一の救いは、俺がやめる前にあの会社は潰れてくれて、

俺は人生を辞めなくて済んだんだ。

 

いつも見るたびに俺を人生の悲しみに突き落とす、

あのパーキングにあった喫煙所も時代が変わってなくなった。

 

そう、そして時代が変わり、更に世界も変わって、

俺は異世界でパーキングからパーキングへ瞬間移動する力を授かり、

その力を使って異世界B級グルメ巡りを始めている。

 

って、感じの重たいライトノベルチラシの裏に書こうと思うんだけど、

どうかな?