恋愛私刑
君だけは何時でも出入りできるように、
心のドアに貼り付けたその優しい顔が、
安いシールのようにこびりついて上手く剥がれない。
汚い痕を残してでも無理に取ろうとすれば地を傷め、
その傷痕がまた、行き場を無くした思いをくるんでいく、
厄介なカサブタへ変わる。
染み付きまで出来てるのに。
それなのに、その顔が思い出せない。
誰からも快く受け入れられた、
その微笑みの陽が照らしたこの心の影に、
見せたくないものたちを全て隠してたから知らなかったろ?
その透き通る頬を撫で、
柔らかな肉体の丸みを確かめては、
火照った汗の臭いを嗅ごうとする、
イビツで有名な欲望の化け物を。
君が上手くいかないって落ち込んでる時も、
夢を真剣に追いかけている時も、
そいつが横にいて、すぐにでも覆い被さろうとしてたんだ。
最低だろ?そうなんだ、人間のくずってやつだよ。
だから、罰が下ったんだ。
だから、その何度も何度も愛してやまなかった、
掛け替えのない顔を思い出せなくなったんだ。
だから、誰にでも心の扉が開く。
今夜もあの顔を探してさ迷う。
ああ、永遠無期の恋愛私刑だ。