メロメロメロン

我が敬愛してやまない、兄貴分どの

恋愛はゲーム、セックスはスポーツ

って、言ってましたが、

ゲームはソロプレイでしょうか?

スポーツは個人戦でしょうか?

 

飲み会の時にみんなの前で「何で俺にだけメール送ったの?」なんて、

あんただけに「俺の横のブスを何とかしてくれ!」って伝えたいからだよ!

わざわざ皆に送らず、あんただけに送ってる時点で察しろよ。

しかも皆の前で言うなんて、ブルータスだぜ?

 

あれか?前回の飲み会であんたの

「積極的な人が好き、って言われてガンガン攻めていたら、

ストーカー事件化される前に警察から注意された話」

をして、大いに盛り上がったことを根に持っているのか?

 

それともカードゲームの大会に出て、

周りがみんなあんたの教え子だったことに、

悲しみよりも感動を覚えた、

死んでいる感受性を褒めなかったことが、

気に入らなかったのか?

 

まぁ、あんたは今、

カードゲームの大好きなキャラクターに似ている子を狙っていて、

俺のピンチなんてどうでもいいんだろうけど、

ゲームみたいにちゃんと勝ってくれよ

 

俺はいつもあんたとの日常ってゲームで楽しませてもらってるから、

心のどこかじゃあんたの恋愛ソロゲームを応援してる

 

勘違いが激しくても、スポーツなんてナメクジレベルの運動音痴でも、

今回こそはきっと上手くいく。

あのカードゲームのキャラクターに似てる子なんて運命だよ!

って言ったら、俺の参加費まで払ってくれるとこなんて。

俺が女の子ならメロメロメロンだぜ?

 

あぁ、でも、そういえば。

その子の好きなタイプはスポーツの出来る人なんだよなぁ

海はでっかい水溜まり

「海が呼んでいる」なんて、しっかりしなよベイビー

 

海にお口は無いし、個人で携帯も契約できないよ?

 

居るのはお魚さんだし、

声がしたのはギャーギャーうるさい鳥の空腹に対するシャウトだよ?

 

人の名残りなんてプラゴミか、

夏の恋と共に散ったはずの海パンくらいじゃないかな?

 

転職の面接も二桁に迫ると自分の無能さが目に染みて、

お祈りされる度に涙と「自分は価値の無い人間なんだ」とかの、

つまらない考えが漏れてくるよね。

 

だけど、ベイビー。海はただのでっかい水溜まりで、

そこから返ってくる答えなんてものは、

君のメンタル状況に左右されるんだ

 

そうだ、いいことを考えなよ。

 

ほら、俺というパートナーは歴史上の聖人と同じでほぼ無職だから、

君を慰める時間は無限にあるとか。

ここからは俺と一緒で上に上がるだけだから、伸び代しかないとか。

いいことに目を向けようじゃないか?

 

「なんで普通に慰めてくれないの?」

って、俺の特別である君を慰めるのに

普通でいられる訳がないだろう?

 

君の悲しみは俺の悲しみで

君の涙は俺の涙なんだよ

 

愛も悲しみも給料も、どこかの剛毅なブラザーが言うように

「お前のものは俺のもの」なんだ

 

そして君からもらった悲しみも海パンも「俺のものは俺のもの」なんだ

 

じゃあ、まあ、とりあえず転職失敗残念会やろうか?

君のオゴリで

飾りじゃないのよ俺だって

いつか俺をヒドイ男だと断じてくれるなら、

そのヒドイ思い出の中でいいから、ずっと俺を置いておいてくれ。

 

涙は飾りにならないらしいけど、

俺は飾られても悪い気分にはならないし、

もう好きなんて言わないから

 

こんな同じ色で塗り潰すしかない空を見ていると、

いつも感じるんだ

 

自分のつまらなさや至らなさ、数えるほどの守れた約束すらも、

あんたの癇に触らせる、運命的な恋人同士だったなあ、って

 

そうやって思い出す姿はいつだって、

良かったことや嬉しかったこと、

上手くいってる場面の笑い声で溢れている華やかな影ばかりだ

 

本当はその影の中に、

すれ違う悲しい言葉や感情に震える罵りの場面が入っているのに、

物事のいい面だけを見ようとする、人間らしいごまかしが、

そいつを隅に追いやってしまう

 

馬鹿馬鹿しいだろベイビー?

俺は今でも、あんたの華やかな影を待ち望んでもいるし、

怯えてもいるんだぜ?

 

ほら、ご覧よ、本当に飾られても涙を流すこと無く、

ただ待ち望んでいるだけで、悲しみなんてどこにもありゃしない

毎日ランニングを続ける方法

ドアから出ていく横顔が少し微笑んで、

向こうに振り向きながら走り出していく姿。

今思えば好きだった

 

あれから何人もの人と付き合ったのに、

あの出ていく時の横顔が、少しイラつくけど好きだったなんて、

今さら化石のような名残りを探しているようで、

出来れば気持ちにも知らん顔しておきたい

 

そうだ、何度も見送った

 

君の趣味であるランニングって、

汗をかくのが大嫌いな引きこもり野郎には、

理解不能なスポーツに出掛けるその背中を

 

そのいかにもランナーです、

ってカッコイイウェアに身を包んだ恋人は、

可愛さも可憐さも伴走させていて、俺の自慢でもあった

 

あぁ、人間の嫌なところは心変わりするところ。

あれから何年も経ってから俺は、

生か死かどっちのカウントダウンか分からないが、

ランニングを始めている

 

でも、人間のいいところは、

爽快に汗をかくことを楽しむような変化を楽しめるところ

 

あぁ、何でランニングなんて似合わない趣味始めてんだろうって、

いつもドアを出る前に考えるんだ

 

あれから、様々な人と出会い

今の恋人にも大切にしてもらって、

背伸びなんてやめて何の不自由もなく、

生活を満喫しているんだと思うと、

理由もなく少し笑いが出る

 

出たのが涙なら、こんなのただの罪滅ぼしじゃないかって、

やっぱり笑いが出るかもしれない

 

あぁ、そうか。君はこんな気持ちだったんだな

真夜中のカーボーイ

言葉なんてただの音だ

叫んでも何も伝わらないことがある

 

春を待つ静寂を打ち破る工事の音から、

何も感じたくはないように、

言葉って音が並んだだけじゃ何も伝えられないことがある

 

大切な人が車に乗って走り去る前に、

何回見ても綺麗なその顔が、

信じられないほど悲しくなったのを、

取り戻したくて叫んでも、

思いを絶ちきる風に消されて、

何にも伝わらない

 

別れのエンジン音はサヨナラのキーが差しっぱなしで、

いつまでもかかりっぱなしだ。過去に戻ったって何も変わらない。

 

あの日の君に出会えるんなら声の限りに叫ぶけど、

多分、何も届くことはないだろう

 

それでも、好きだったその顔が流す一粒の涙が、

多くを語ることもある

 

そして、大切なものを無くした男が、真夜中にこぼす泣き声なんて。

誰にも伝わらなくていい

I LOVE YOUが言えなくて

涙雨に濡れている街並が、出会ってからどれだけ共に歩んだか。

なんて、どうでもいいことに気持ちをを巡らせる

 

水溜まりに映る空を叩いている雨粒が、

心に映る景色を揺らす言葉や表情に見えてくる

 

言えずに指で書いたアイラブユーを恥じらいの泉に沈めて、

浮かんできた月を二人で見てた

 

愛してるって言葉だけでは

伝えきれない思いがあって

肩に触れている熱のように通じ合えたら

もう少しマシに届くのに

 

愛してるって物に代えても

世界は薄のように薄く儚げで

無限の空を抱いて二人で同じものを眺めたなら、

少しだけでも伝わる気がした

 

あぁ、今夜も、月が綺麗ですね

君と過ごす週末

愛してるの赤。ありがとうの青。

日々、交わす言葉のボタンの掛け違いで、

お父さんとお母さんの愛情から生まれる些細な諍いに

「もしかしたら」離婚するかもしれないと思っていた、

初恋の風疹よりもウブだった幼少期

 

大好きな女の子とだけはお遊戯でお手てを繋げずに、

悲しい顔をさせたっけ

 

あぁ、俺に向けられた実録怒りのベストスリーまでを独占している君の、

今にも爆発しそうなオピニオンを聞きながら、

そんなことを思い出していたんだ

 

それにしたって、いくらキレていても顔が綺麗だからとはいえ

「ゴミはゴミでも燃えないゴミのくせに」

はちょっと言い過ぎなんじゃないか?

そろそろ俺も堪忍袋の緒を締め直さないといけなくなるぜ?

 

あぁ、中学校で封印したはずのグルグルパンチを先に出されて、

それでも謝らない自分を褒めてあげたい

 

今となっちゃあ、幼稚園児でも譲り合えるプリンの奪い合いから、

別れる別れない紛争に発展する中年クライシスだけど、

それでも君は「嘘泣き」って政治スキルで、

自分の主張を通そうとする

 

だいたい「嘘じゃない!」って言うときは全部嘘じゃん

涙が出ていたって、その涙さえ嘘の真珠に変わっていく

 

深い真夜中に降る雪が、町を白く染めずに消えていくように、

俺たちの関係も気紛れな蜃気楼なんだ

 

君の言う通り、俺は燃えないゴミだけに

そういうところはビンかんなんだ