2021-11-01から1ヶ月間の記事一覧

自由の女神でもしゃがんで赤面するレベル

知ってるかい?あんたは寝ている俺の額に、 卑猥なシンボルマークしか描かなかったけど、 俺はあんたのデコルテに◯しか描かなかったんだ 俺はあんたにとって誰よりも有名な男で、 あんたは俺にとって腕のあるビーナスだった 朗らかな春の交差点で、 自由の女…

ラブ&ピース

俺は誰の視界にも入らない、 煤けた道路標識みたいな顔であんたを待ってるよ。 そんなもんが無くなっても誰も気付きはしないけど、 あんたにだけは気付いて欲しいんだ。 パンクっぽい吹き出し音のカラースプレーで一緒に書いた俺の道しるべに、 何が書いてあ…

夏郡(なつごおり)

夏の太陽が本番でも手を抜かずに、 フルスイング&フルダイブしていて、 クソ以上にラブリーな熱気が広がる 直射日光に全身を抱かれ、目に見えるほどうるさいセミの声に、 スタミナはカッスカスになって警報は鳴りっぱ、 残りの生命力でやれることなんて「倒…

ブランコに乗れない大人たち

ドライフルーツをバーボンに浸して、 戻して食べるようなあんたの性癖が、 俺の恥じらいを拭き取るハンカチだった 拭っても取れないそれが、 結局はハンカチの汚れなんだと気付く頃には、 まんまとあんたに落とされたカウントダウンの一人だったよ いつの世…

無限坂

ともに自転車を押して歩く背中を 今でも覚えている 初夏の帰り道に朗らかな笑顔と 汗ばんだブラウスから弾けた香りが 鼻から胸にガソリンをまき 著しく情熱が燃え広がった 話をしながら、その声に溺れ 瞳を見ながら、その唇に飲まれ 果てのない無限の坂にと…

生きるか、キスか

週末のことを話しながら、 あんたの恋愛株式を上げ止まりするための 手厚い口づけへの合意内容を発表するんだ 含み笑いのスパイスと愛のエンジン点検が入った電話が終わって、 スマホを切った後の黒い画面に映っている真顔が、 あんたの言っている大切な人と…

すわ、黄昏

情熱の色をした朝日が昇る国で、 また思い出す 一つの恋から二つの愛が生まれた日 固く未来を誓い合った、過去を美化する爪痕が、 しくしくと未来で泣いていた 今でもあなたの瞳の輝きの理由を知ろうとすれば、 私は簡単に傷つき涙する それほど清く正しい努…

泥なら泥らしく泥の中で生きていろ

結局、何にも成れなかったが 終わりがない 勝利も無かったが、止めさせてくれない ダメだったからって終わらない ピラミッドの底辺のその下の地下道で、 もがきながらも生きていかされる 冗談だって笑えたらチャンスはあるんだろうけど、 毎回、毎回、見事な…

あの日に戻れたら

上手くいくことはあまりなく、 そしてまたあまり動かない心で生活が出来ていた 昨日の間に終わらなかった仕事を 休日の晴れ渡った空の下で呆然と続け やっと終わった昼過ぎから、 遠い自宅に帰るというつまらない作業が始まった 仕事に急ぐ人がいない昼過ぎ…

キャンディオールナイトロング

殺風景なカバンのアクセントとしてつけた ハートを包んでるキャンディのバッヂに、 昨日、雑誌で取り上げられていた店でカットした前髪から落ちた滴が、 タバコの広告や信号の点滅や、 俺とあんたも混ぜ混んで銀河を作ってる キャンディ銀河が全てを包んで、…

眠れない夜をこえて

パラパラとめくった情報誌から、 生活の皮脂のようなその日の出来事も床に落ちて、 この部屋が馴染み深いものになっていく いつの間にか気に入っていた、 木枠の窓から眺める遠くの家の明かりに、 和やかな家族の時間を想いながら、 この家の明かりを俯瞰し…

たはむれ

美しい波打ち際で浮かんでは弾ける泡も ぷつぷつと息をして生きている 水面が目標であるように 上へ上へと震えながら昇っていく命を思うと、 酷く愛おしく、一思いに捕まえたくなる衝動にも駆られる 生まれた時からしっかりとした目標を持ち、 周りの物たち…

さっき通り過ぎたのがアナタの死因です

青春のページをうろうろしている夏の栞が 燃えるような視線で心へ訴える そろそろ自己犠牲な意見はお呼びじゃないし、 貝じゃない方の自分も喚く 一体どれだけあれぱいい? 金も時間も どれだけあれば満たされる? 心も体も 我々の心は自由という概念に縛ら…

泥人形

あなたの愛の密林に 密かに潜んだ豊かな虎を 私の涙の虹で縛り付け 奉仕の血肉で餌付けして 二人の時間が過ぎ行くままに 肥え太らせて手懐けたい あなたは私のものになり 私はあなたのものになる 二人は同じ虎の牙 いつでも一緒に飛び掛かり どこでも一つの…

天国への階段

とんでもなく高い紫色の空の下 どこまでも続く薄暗い砂浜で 風も無いのに震え 波もないのに揺れている ここはとても広く、蛮族の一味が全員眠れるほどのベッドで、 小さくなって膝を抱えて眠るほど、寂しい そして、誰もいないのに、 その確実に誰もいないと…

眠れ、眠れ、眠れ

何にも成れなかった者たちへ お前が死ぬほど欲しかった、 心の平穏をそいつは簡単に捨て去る 全身全霊で認めた多くの価値を、 緩みっぱなしの口から、 容易く吐き出しながら去っていく 「お前と違って幾らでも持ってるから」 そうして夢の無い真夜中、歪んだ…

なぜ勉強するのか?

疑問符の仮面を被って欺いているが、 そいつは答えだろう なぜ勉強するのか? この言葉は答えであり、疑問ではない 日々、勉強しながら己と真剣に向き合い、 少し心が疲れた時に、感情の起伏を慰める花束なのだろう なぜ生きるのか?と同じものであり 疑問で…

クリームレモン

大好きな人と会う前に聞いていた歌 近くの道路を走る車の音 生活音に紛れている虫の声 背伸びして付けた香水と、風呂上がりの爽やかな匂い ちゃんとしなくてはいけないという気持ち 別れなど考えることが出来なかった、夏の前の夕暮れ時 全てを捧げても何も…

コンドームとババロア星人

あんたの過ぎ去った受難を聞いて涙が出るまでには、 太陽は俺から一番遠いところまで登っていたけど そこまで付き合う俺はやっぱり あんたには駄目だけど似合ってるんだと思う 最高級に仕立てた「避妊は神への冒涜だ」って プリントTシャツが体のラインにはま…

スワロウダイブ

あなたにどんな暗い過去があっても、 今、私といるためにその悲しみがあったのだと過去を正当化できているなら 私はあなたの命になっているし、幸せにしているのだろう 日々の辛さや、理不尽なやるせなさに疲れても、 あなたがいることが私の強みになってい…

悲しみが終わるとき

悲しみに出会ったら あなたと出会った日からの距離を思い 自分の身を守る 悲しみが訪ねて来たら あなたとの愛のように腕を組み、 うつむいてやり過ごす 悲しみに震える夜は 美味しい料理を包んだ他愛ない会話を 独りで継ぎ足すワインにあなたの夢を見る そし…

完璧な世界を追われて

この世界はどこかにある完璧な世界を投影した、 粗くて汚れた世界なんだという 完璧な世界では生きる意味も死ぬ理由もちゃんと決まっていて、 誰も迷うことがない だから概念などなく、真理だけが存在している 愛も命も全て理由があり完璧な答えがあるから、…

寒椿

心臓を凍らせようとする冷たい風が吹き付ける中を、 真っ赤な椿のような頬をした君が歩いている 青白い手を祈るように揉みながら歩き、 白く神聖な息を吐く君をみていると、 呼吸をしているのを忘れるほど、 君を見つめることに気づく 永遠の一瞬の中で、君…

ミミクリィ

私はあなたのハンカチになりたい 二人のように慎ましい柄の小ぶりなものに あなたの汚れや悲しみを脱ぐいとり どんなときでも役に立ちたい 私はあなたのリボンになりたい 二人のように微笑んだワンポイントがあるものに あなたの綺麗な髪を際立たせ いつでも…

【愛の器】

あなたは私に、愛とは空っぽで満たされないと教えてくれた あなたに出会い、愛することで、 私の愛は私の中には無くて、外にあるのだと知った 私は自分を満たそうと必死になって、 愛してくれる誰かを探し、愛して貰うために散々自分を飾って、 多くの誰かを…

回復に一生使いましたね

人の世の儚さを教えてくれたあなた ぼやけてにじんで落書きのような毎日ですが、 いかがお過ごしですか? 人生は苦しみや悩みとの和平調停とおっしゃっていましたが、 まだ自分を白と黒に塗り分けて、 砂の料理を我慢して食らうような生活をしているのでしょ…

裏切り或いは友情

僕と君が真剣に衝突した時、 君が僕を殴ってくれたら全ては上手くいったんだ 間違った道に進まずに、互いの良さを褒め合えて、 何でもないようなことに、腹を抱えて一瞬に笑えたんだ 君が僕のことを殴らずに、理解することも諦めた時、 お互いの間に半透明の…

海のような色をした空の下で

あなたの口が開いた音で全てが分かった 出会いの歌や恋の歌ばかりを流していた、 あの騒がしかったラジオから、 厳かで始まりか終わりを告げるクラシックが流れている 全て放棄してうなだれるような雲が空を覆い、 心なしか近くてチリチリ言うノイズがあなた…

花と私

私というものに花を差し みんなに愛でてもらえるように、通りにおく 振り向いてくれなくとも笑顔を振り撒き 振り向いてくれたならより一層笑顔で見送る みんなを見送りながら私のことを覚えておいて欲しいと、 その背中にお願いする そうして差したところか…

幻聖光牙死黒魔踊会(ゲンショウコウガジゴクマトウカイ)【フェス】

段ボールのように乾いた幻が敷き詰められては、 即、踏みにじられる回廊に、センスの塊だった者たちが 自分の聖痕を投影した作品が並んでいる 「自分の足から食べていったらどうなるんだろう?」の絵と、 「卵を食べては自分の卵を産む男」の絵を見ながら、 奴ら…