あの日に戻れたら

上手くいくことはあまりなく、

そしてまたあまり動かない心で生活が出来ていた

 

昨日の間に終わらなかった仕事を

休日の晴れ渡った空の下で呆然と続け

やっと終わった昼過ぎから、

遠い自宅に帰るというつまらない作業が始まった

 

仕事に急ぐ人がいない昼過ぎの道には、

緩やかな時間が流れていて、

普段と違って花も風も余裕があり

道行く人に戯れるような雰囲気まであった

 

ここでは自分が異人なのだと何となく感じられた

 

歩き疲れ、早く座りたくて乗ったバスは

いつものざらついた混雑がなく、

疲れた人たちの厳しい視線も無かった

 

自分の世界に入るためにイヤホンから音楽を流して、

過去のでもない感傷でもない流れていく風景に、

疲れも一緒に流れてくれたらいいのにと思った

 

家の近くまでは走るから、眠りたかった

時間は沢山あったけど、いつでも疲れていて眠りたかった

 

どれだけ望んで手に入っても、

次、またその次を新しく始める、

明確な安らぎの足場が無い日々に、

疲れていることにも気づかなかった

 

毎日が同じように過ぎていくという、

人によっては天国でも地獄でもあった日々に、

いったい何を夢見ていたのか、

今となっては自分のことながら想像でしかない

 

そういえばあの日も、雨が降っていた