キャンディオールナイトロング

殺風景なカバンのアクセントとしてつけた

ハートを包んでるキャンディのバッヂに、

昨日、雑誌で取り上げられていた店でカットした前髪から落ちた滴が、

タバコの広告や信号の点滅や、

俺とあんたも混ぜ混んで銀河を作ってる

 

キャンディ銀河が全てを包んで、

ロック歌手が燃え尽きる早さで落ちていく時には、

俺はあんたの手を握って「心配ないよベイビー」って、

恐怖でよそ見しているあんたに言いたいんだ

 

吸血鬼のように病的で自信満々な顔でも信じてくれるはずだ、

って、いつか二人で見たホラームービーを参考にしてるけど、

分かってくれるだろ?

 

有りはしないものに怯えて、目を潤ませては、

助ける助けないで愛情を確かめる、俺とあんたの怖がりは、

お互いをお手本にしているから絡まった何十本のコードのように、

他人から見ればコーヒーミルクのように要らない物で、

自分たちを繋いでいる不可欠な線なんだ

 

AMという何の略かも知らない間、降り続いていた雨は、

いつの間にか止んでいたけど、

あんたの頬を流れている銀河からはキャンディの味がした