「手折られた向日葵」

そこにあった輝きは有名だった

無くなった後にはただ真っ暗な虚無が広がっていて、それがまた良い

 

私はお前の美しさを知っているが、お前が私を知ることはもう無いだろう

私がお前の美しさに尊敬の念を抱き、日々称賛していたことなど、

おまえにはどうでも良いことなのだ

 

そうだ、ただその瑞々しい笑顔が、
私ではないただ一つの太陽に向けられていることが分かっただけで、
私とお前の繋がっていない世界は閉じてしまった、
手を取って歩いて往くような未来も無く、
慕う心だけで延々と続いていくと思っていた世界は、
静かにその幕を降ろしてしまった

 

その輝きに心躍らせ、讃えるためにたくさんの言葉を生み出した、

しかし、これからはその愛の言葉が、

これから出会うであろうお前以外の輝きを讃えることが、

少し哀しくもあり清々しくもあるが、

私はその向日葵のような笑顔を忘れることはない

 

私にとってお前は美しい輝きだったが、
お前にとっての太陽は私ではなかった、
それだけのことだ