私というものに花を差し
みんなに愛でてもらえるように、通りにおく
振り向いてくれなくとも笑顔を振り撒き
振り向いてくれたならより一層笑顔で見送る
みんなを見送りながら私のことを覚えておいて欲しいと、
その背中にお願いする
そうして差したところから、私の涙か、花の血か、
分からぬものが流れ出し、あなたと私の間に溜まる
悲しい夢か、寂しい迷いか、遠く分からぬその水溜まりは、
あなたを偶像のように華麗に映し、綺麗な風景ごとあなたを讃える
けれども、あなたは水溜まりで汚れることを嫌う顔で、
足早に通り過ぎたり、飛び越えたり、
水溜まりの思いなど風が起こした波紋のように儚気だ
しかし、あなたが家に着き、
靴の泥や汚れで水溜まりとなった私のことを思い出したなら、
みんなに私を知って欲しくて流した涙も甲斐がある、
差し枯れた花も報われる