段ボールのように乾いた幻が敷き詰められては、
即、踏みにじられる回廊に、センスの塊だった者たちが
自分の聖痕を投影した作品が並んでいる
「自分の足から食べていったらどうなるんだろう?」の絵と、
「卵を食べては自分の卵を産む男」の絵を見ながら、
奴らの才能に歯ぎしりするほど嫉妬している俺に、
その分かる者には分かる眩しい光が痛いほど刺さる
「だが、そんな俺もきっと誰かの才能のワンシーンなんだろう」
死臭が首筋に牙を立て、生臭い息でささやくんだ
全く何とも滑稽で、死ぬほどパンチが効いている
この俺に才能は皆無だが、俺自身が誰かの才能だなんて
俺の歴史もオーディンも本当は真っ黒に塗り潰されていて、
俺はここを観ている神上がりされた才能だなんて!
ああ、でも俺の神は生きていたんだな
背中に息吹きが感じられるほど
俺を悪魔的に愛していらっしゃるんだな
では、さあ、一緒に踊ろう
終わりだけが決められている
とぎれたままの舞踏会を