別れに向かって小さいけど長い間隔のカウントが続いている
石油ストーブの熱と重ね着したセーターで顔が火照って、
ぼんやりとしているが、あなたがいてうれしい
凍っている窓から外を眺めて、今日あった事と昨日の話しの続きを聞いている
他愛もない話しを聞き流せていた頃が、とても安らかな時間なんだと知る
今は気のないフリをしながら、その言葉を一つも漏らさないように聞いている
あなたがいてやっと私という輪郭が成り立つ
でもこれが最後の冬、この冬を越すことはない
本当はとても怖い、あなたがいないなんて耐えられない、考えられないほど寂しい、
共に冬を越せるようにと両手に描いた赤い鎖はにじんでしまった
あぁ、だけど、あなたを見ていると、
お互いを慈しむ柔らかなこの暮らしが悔いなどないように思えてくる
だからもう泣かないで、戻って来れないから
あなたを慰められないことがとても辛い
あなたからの思いの量と同じほどの量の思いで、ずうっと幸せにしたかった
長い間隔が小さくなってもう聞こえなくなり
温もりが縮んでいって存在が過去の光に変わったら
あなたの涙に映された私をちゃんと涙と一緒に送り出して欲しい
そうしたら私もいつまでも、あなたが安らかな時間でいられるように
冬も時間も越えて眠りの中で祈るから