「メンバー紹介」 タマ&ハチ シリーズ1

ケビンはファッションリーダーで頭が壊れている

ダニエルが仲間以外に興味があるのは女体の神秘

マイクは無口なパワー系

僕は全く存在感が無いのがチャームポイント

全員、常に金が無いから、バイトの毎日

 

バイト先では、いつもケビンとダニエルが
競っているのか疑いたくなるほど

どちらかがトラブルを起こして辞める

 

ケビンの場合は、日に日にバイト先の制服の要素が薄くなり、

最終的に店員でもなくお客さんでもない人が店内にる状況下を作る

 

ダニエルの場合は、バイト仲間にもお客さんにも手当たり次第に

次々とアプローチをかけて、成功の数だけ修羅場を作る

 

そしてトラブル発生が遅れた方も、次の日にはトラブル発生により辞め、

二人がいない職場に魅力を感じないマイクが次の週には来なくなり、

辞め時を見失って継続勤務した僕が
正社員にスカウトされるといったことの繰り返し

毎回、そのお誘いをお断りして居づらくなって辞めてしまい、
ケビンたちの次のバイト先に僕も移っていく

 

そんなある時、ケビンが

「この際、四人で正社員に応募しよう」

といった。

タイミングが良かったのか、
四人をまとめて雇ってくれそうな条件の良い会社に応募すると

「面接はスーツ以外で結構です」

と連絡があった。

 

僕たちは悩んだ。

まず、スーツ以外で持っている服はゴミだ。

それにスーツ以外とは何だ?

 

スーツ以外で来いというのは、スーツよりも凄い正装で来い、
ということではないか?とケビンは考えたらしい。

 

スーツ以外でもOKなんだから、スーツで良いんだよ、
とダニエルは落ちをつけたが、
だいたい、お前はスーツを持ってないだろ、と思った。

 

マイクはお言葉を額面通りに受け取って、
スーツ以外の、いつものゴミを着て行くだろう。

 

僕は無難に、襟付きのシャツと小奇麗なズボンにした。

こういう所が、イマイチ抜きん出れない原因なのは、良く分かっている。

 

面接当日、その会社に行くと、マイクがゴミを着て先に待っていた。

次に、どう考えてもサイズも丈も合っていないパンツスーツを着て、
ダニエルがやって来た。
そういえば、奴に僕たち以外の男友達はいないから、
今、仲よくしている女から借りたんだろうと思うと、
ネクタイではなくスカーフをしているこの男に、もう、何も言えなかった。

そして、面接が始まってから現れたケビンは、
いつものヨレヨレのロンTに新品の半ズボン、
髪にはレタスをホッチキスで留めていた。

 

憧れの眼差しを送るマイクと、
良くやったという顔つきのダニエル、
あぁまたかという雰囲気を出した僕たちは、
仲よく全員不採用となった。

 

あとでケビンに

「ああいった形の、知らない人を巻き込んだパーティーがしたかったのか?」

と聞くと、

「正装で来いっていうから」

と言われ。

ケビンの目いっぱいファッションだけに振り切ったハート型の脳みそで考えて、
ああなったんだろうと思うと、これがケビンで僕の友達なんだと納得した。