「クラブ スズメバチ」

ストリッパーと喧騒の夜を混ぜ込んだ劇薬を一気に飲み干せば

営業開始の罵声が響く

 

泥のようにまとわり付く音楽は直接カラダで聞くもので、

ここに入った時から耳は職務を放棄したようだ

注文は指先で数字を伝えると、

下水よりはマシといった飲んで酔えるものが流れてくる

周りには規則正しい生活を無視できる人間だからこそなれる狂った者たちが溢れており、全員がお気に入りの武器を所持して、垂れ下がるように踊っている

 

悪魔でも目的無くこんなに毎日騒がないだろう、

ここでは再び真の堕落が行われている

 

さあ!だからこそ道を外れた者達とのさらなる悪意のチキンレース

擦り切れすぎて原始の部分しかない者との持ち主を含めた

盗品の物々交換で、夜を共にし饗宴の芯を食らい楽しもう!

ここの者達は平和が選択肢に無いからちゃんと死ぬし、

誰もが道端の雑草以下だからすぐに増えて忘れ去られる

 

善や正義と方向は違えど熱い思いで突き進んだ、

ひとつの生活の在り方でまたその終わりなのだろう

瞬間のコントラストを濃くするために生命の糸長さを短く凝縮し、

自分の心臓に己の針を突き立てて急ぐような生き方しか知らなかった、

憐れな、しかし、見ていて愉快な者達よ

 

自らの真の苦悩を他者に伝えられないという無知が、

お前たちのせめてもの救いだろう