「砂漠の夢」

鉛のような疲労の羽が覆い被さり、薄ら青いこめかみから知恵が漏れ、

ポツリ、ポツリ、と過去からの応答が聞こえる

 

死に際してやっとだが命というものを感じている、

何でもない命が砂となって体からこぼれていく

この砂も私のように夢見るのだろうか?

 

大義も名前もない風が作ったかも人工的かも不明瞭な、小さい命の砂山が、

私のように全世界を嘆いては夢を見るのだろうか?

このどこまでも広がる心を真似して創造するのだろうか?

 

矮小な双子の砂山を嘲笑うほどに、

あちらの宇宙から覗いている死にかけた愚か者の背中が見える、

まるでそれは夢の中で自分を背後から眺めるように、

その背中には見覚えがあった