春の心臓

変わり行く季節に春が少し目覚め

微かな鼓動が草花たちを起こす

冬に息絶えた妖精がまた息を吹き返して

新しい命の計画を始めている

 

川にも木陰にも命の囁きが溢れ

待っていたもの達の心の躍動が空にも届き

鳥たちの喜びの声と共に騒がしい歌声となる

 

大地の奥に有る春の心臓から虹が伸び

雪解けの水たまりや風を受けてはためく誰かの部屋のカーテンに橋を架け

春の始まりを届けている

 

それはまるで母の加護のように何も代償を求めず

幼子が母を慕うように無垢であることから

誰もが手放しで受け入れて

誠実に称賛する