竜になった日

 

世界中にありふれている土塊のような者に、

愛と希望を巻き付けて肉付けし

信念の鎧を身にまとわせて、

愚かしいほどの切れ味の剣を持たせる

 

そうして始めた冒険は誰かを常に助け、

自己を顧みず気がつくと、

自分を含めた犠牲の山を登り続けていた

 

これは流行を追い求める群衆に忘れ去られたような

薄暗い伝説ではなく、

心熱い正義が正しい世界を作ろうと奔走し、

誰かがきちんと責任を取るような血の通った物語だった

 

そして彼は、最後に自分と同じ最強の敵を倒したあと、

 

この最愛の世界を守ったことを理由にして、

竜であることも、人であることも放棄し、

長い眠りについた