月が今夜も付いてくる

 

幾つものさざ波にの中に満月が入り込んでいる幻想的な海辺で、

時を止めてただあなたのことだけを考える

 

優しげな海風が吹き抜け、

上着があれば体は寒くないが、

心に塞ぐことのない隙間がある

気持ちがあなたのことで憂いすぎて

あなたを感じることでしか満たせない乾きがある

 

あなたの手を取り歩くことができたら、

この砂の一つ一つが寂しさで作られたかのような、

月明かりに照らされた寂寥とした砂浜も

安穏とした童話のように微笑ましい想い出に変えられるのに

 

こんなに美しい月が出ている砂浜にいるのに、あなたに会えないなんて

優しい海風になびくあなたの髪を、愛でることが叶わないなんて

 

丁寧に作った侘しさを見つけて、

月が今夜も付いてくる

胸の慕情を残す足跡を目印に、

月が今夜も付いてくる

 

口には出せない寂しさを、

包み込むような光が慰める

ああ、もう少しだけこの隣で、

幻でいいから共に歩いてくれ