何千年か後に生まれる俺たちは、ジェロニモが使っていたというスマホを
有り難がって、恋をするように見境いなく信じちゃうんだろうな
宇宙が大好きなあんたのように、遠くから見たら誤差みたいなことが
この星にはあふれてる
地球の回りを回りながら、どこに愛情が足りていないか見守っている
ミサイル用の人工衛星と、電気代を払えっていう手紙を織って、
二人で飛ばした紙ヒコーキも誤差の範囲だよ、ほぼ同じなんだ
雪に冷たく閉ざされた冬に、次の季節に移ることを暖かく促す太陽と、
ウイスキーの瓶を片手に路上で寝ていた俺に微笑んでくれたあんたも
誤差の範囲だよ、ほぼ同じなんだ。
そう考えると、俺が生まれた時に上げた「オギャー」って産声は、
いつか出会うあんたへの「愛してる」って言葉だったんだ。
だからベイビー、あんたが居なくなったことも、
いつかまた会う日が来るんだから、
ほんの少し一緒にいられないだけだから、
俺は「サヨナラ」なんて言わないよ。