このまま未来の果てまで埋めそうな憂鬱の曇り空の渋滞に捕まり、
初めて立ち止まった人生が、
自分の立っている世界の回りで溢れているものを眺めている
恐らくはとるに足らない仕事に向かうであろう老人、
子どもの手を引いて道路を渡る母親、
回りにいる人たちはみんな自分を責めていて、
全て自分のせいなのだと、謝り続け、心が暗く冷えていく
終点の無い仕事に向かうあの男は道の上で立ち止まり、
今、自らを省みているのではないか?
小さい子供の手を引いて道を渡る母親は、
微笑みながらも過去の遺恨に苛まれているのではないか?
自分と同様に立ち止まり苛立つもの項垂れるもの諦めるもの
壊れた理由も壊れかけの希望も人の数だけあり、
複雑になった命も無くした感情の行き先も、
なるべく優しく大切にもう一度やり直している
生きることに憧れて死んで往くものと、
死ぬことに怯えて生きて往くものとの、終わらない輪舞曲は、
歴史を装いながら引き延ばされて続いて往く