フロントガラスに降った雨粒のように、あんたに愛の言葉をかけたけど、
サヨナラのワイパー一発でスッキリされちゃあ、
震えるほどの人間不信で、次の恋なんて行ける訳がない。
クールビューティーとかいうあんたの形容詞は、
一緒にいる時は的外れな憧れにしか思えなかったけど、
離れてみると近づきたくない憧れなんだね。
パッと見、白黒ベースのシックでとんがった部屋に住んでそうだけど、
あんたの部屋には小さい頃にあだ名を付けたぬいぐるみが今もいて、
家族の写真立てが見る人に優しく微笑み、
勉強よりも時間を費やした可愛い小物が並んでいた。
その真ん中で、子犬みたいになった誰も知らない秘密のあんたが、
二人だけの話をしてくれた。
ベイビー、もう終わったんだし、
あんたの事を悪く思いたいのに出来ないんだ。
あんたの嫌なとこを考えて吹っ切りたいのに、
思い出すのは良かったとこばかりで何の役にも立たないよ。
人の悪口を無茶苦茶言っている奴の横で、
ゲラゲラ笑えるくらいの悪人になれりゃいい。
そうしたらあんたのことも、コンビニでもらうレシートくらい、
もうどうでもいいと思えるのに。