毎日同じ顔で近付いて来ていた日常が急激に姿を変えてしまい、
その劇的な互いの引力に逆らえない時の流れに、
傍にいて欲しいと困ったように呟いた、
あなたはもう、私以外を見ようとしなかった
あなたがそこにいることが何だか暖かい気持ちの源泉のように漂って、
背けようとした視線さえ運命の胸元で交わり、
探し物の無い長い捜索が終わる予感に
私はもう、あなた以外を見ようとしなかった
そうしてお互いの視界が未来を失うまで、
愛が愛故に愛が侵食されていき、
整えようと繕おうとする優しい手が傷付く度に、
二人ではもう、何も見えなくなった
ガラガラと崩れた瞳の中には、
今では知らない二人の愛が遠くを見つめて黙っており
恋愛の季節の果てに続く道は閉じている
少しでも長く触れあおうとした唇からも、
二人の愛の言葉は出ていってしまい、
相手の存在を自分自身のように熱心に見つめていた二人の眼も
もう何も見ようとはしなかった