あなたは私の心に降った雪

 

 

新鮮な息吹きに溢れた陽光が、私の心の真っ白な雪に、

もう次の季節に移ることを促す

 

最後までこの身を包み、一つに溶けて忘却の小川へ流れ込もうとしていた

汚れのない真っ白な雪は、未来を誓った相手に別れも告げぬまま

華やかな太陽と明るい世界に旅立って行った

 

世界を巡り、その澄んだ瞳で見てきた感動や物語を私に惜しみ無く与え

この世界も私の世界も美しく染めた、いつまでも降り積もっていた雪は

ただ季節が通り過ぎるように去って行った

 

今となっては過ぎ行く季節の忘却として片付けられるのだろうが、

そのお前の当たり前が

私の心臓を止めた傷口であり、空を仰ぐほどの慟哭だった

 

毎夜、恋の歌を捧げた永遠の誓いよ

あれはあなたに捧げながらも、不安定な自分への慰めでもあった

いつの日か甦るだけの恋人のように失くしてしまうのを恐れ、

あなたこそが真実の誓いなのだと言い聞かせる呪いだった

 

それほどに、あなたは私の心に降り積もり世界を美しく変えた雪であり、

私の全てだった