並木は次の希望を芽に託し、葉をすでに旅立たせながら、
葉脈に乗せて見果てぬ空へとまだ届かぬ思いを伸ばし、
背景に幾つもの空を背負っている
数多くもの芽に宿った希望は同じ日に生まれ、
同じ日に散る幸せなものもあるだろう
揺れながら落ちる葉と、風の吹き抜ける方へお辞儀をする雑草を見ている鼻先に、
これから冷気が運ばれ寒気が大地を凍らせる様が、脳裏にもありありと描かれる
これから何ヵ月も、復活も繁栄も実りもなく、
凍えながら堪え忍ぶ暗くて寒い夜が、
暖かな家の灯火を際立たせるだろう
この季節には救いがなく、
絶望することが希望を見出だす術なのだと教えてくれる
そして、厳しい世界を現実に見ながら、
生きていて良かったと感じる静かな思いと、
躍動する心で世界を描きたい激しい思いの交わった点が、
どこまでも澄んでいく星空の一つ一つの瞬きだろう
今年も、冬がやって来る