秋空にくっきりと別離しているあなたという輪郭が、
一人で歩き始めている
長い道の上で小さくなって遠ざかるあなたの背中が、
もうお別れを告げているのが分かる
この何度も一緒に歩いた道で、
あなたと出会ってからの年月で
ついに名前を知ることの無かった可愛らしい花が懐かしい風に揺れている、
何度二人で感じ入り、この花と風を感じたことだろうか
あなたのためなら何でも出来た過去の自分と、
あなたのことを忘れることのない遠い先の自分のどちらものために、
その今でも触れそうな背中をしっかり見ておかなければいけない気がする
また会う日が来るにしても、
今生の別れだとしても、
どうか、しっかり目に焼き付けておきたい
そしていつかこの名もない花と風のようにまた出会うことがあれば、
朗らかな風のような挨拶に、
花のように微笑んで欲しい