ハートのジャックは自由業

あんたは、俺のことを始まったばかりのエイプリルフール並みに誤解している

 

俺がポーカーで手に入れた指輪が気に入らないって怒って、

シンデレラみたいに真夜中に居なくなったけど、

俺は賭け事がしたかったんじゃない。

 

何かに勝って、あんたに指輪をプレゼントしたかったんだ。

 

俺のことを分かりにくいって言うけど、

愛とか勇気のようにカッコ良くて形が無いものと違って、

俺はトランプのように見えるし傍にいるんだから、

もっと直接さわって確かめておくれよベイビー。

 

きっと明日になれば、ちょっと気まずい中年の中学生みたいな表情で、

縄張りを主張しているリビングのソファーに戻って来ているだろうから、

何も言わずにポーカーフェイスでその隣に座って、

二人がワンペアになっていることを確かめるんだ。

 

ハートやダイヤが無くても、

いつだってあんたを女王様として受け入れられることを、

ストレートに伝えよう。

 

俺があんたにドキドキフラッシュしていることを、

手札のようにオープン出来たら、この駆け引きから全降りして、

俺というチップをあんたに全部あげられるのに。