青春評論家

さっき懐かしいメンツとのバカ騒ぎと別れて、自分ちに戻ってきた。

 

けど、あんたがいりゃもっと楽しかっただろうなって、

考えてもしょうがない無限ループにハマってる。

 

俺たちはウマよりウマが合って、何をするにも最高のパートナーだった。

 

覚えてるかベイビー?

俺のオヤジの車を深夜にこっそり拝借して、ノリノリであんたを迎えに行き、

俺たちに貸し切りになっている海までの国道を大音量でドライブしたのを。

 

あんたは窓から星空に乗り出して、ドアの上で歌ってた。

 

今でもあの曲を聞いて思い出すのは、あのキラキラ輝いていた夏とあんたの顔だよ

 

「男女に友情は存在しない」とかいう青春評論家なんて相手にせずに、

冷やかされてもちゃんと「ヤメロ」って言えば良かったんだ

 

そうすれば今でもあんたとバカ騒ぎが出来てたんじゃないかって、

自分の情けなさに嫌ンなる

 

今でも毎週末、あんたと「とりあえずビール!」の後に乾杯して、

くだらない話で大騒ぎ出来たんじゃないかって、

遠すぎる夢に視界が奪われていくんだ。

 

ああ、それともいっそ「あの時、あんたと付き合っとけば今でも。。」

って悪い酒になる前に自分で止められたらいいけど。

 

ズボンのポッケでブルっと震える、週末セールを告げるメールに、

あんたの居ない現実に戻されて、ヒドイ自己嫌悪に酔い潰れる。

 

聞こえるかいベイビー?

 

俺はこうやってあんたのことを思い出しては、今でもちゃんと後悔してる。

 

あんたという最高の友達を失くしたことに、いつまでも向き合うことで、

あの日の自分にずっと復讐してる。