夏が過ぎ去る夕暮れの、切ない匂いにあんたを思うと、
夜店の匂いや提灯が、かしこに浮かんで目に染みるんだ
一緒に行くのが当たり前だった頃が、目がジンジンほど懐かしいね
金魚すくいにワタアメに、脳内スケジュールを立てて、回ったけっけ
定番のイチゴと、ブルーハワイとかいう夢のある名前のかき氷を食べて、
ベロを見せ合う通過儀式が、遠く遠くでぼやけるよ
熱狂的な雰囲気に呑まれ、当たりの入ってないクジをドキドキしながら引いて、
残念賞の光るブレスレットを付けた、あんた以上に輝いてるものなんて、
あの日、あの時、あの場所には、なんにもなかった
初めてあんたにドキドキしたあの時、繋いだ手のひらから伝わるものもあったけど、
言葉でちゃんと「今まで見た中で、一番キレイだ」って、伝えたら良かった。
今、誰かと手を繋いでいるかい?
もう、その手を離すなよベイビー
俺は昨日、キッチンで落として食べられなくなったウインナーに名前を付けて、
後悔するほどのしみったれだけど、
ベイビー、
あんたの幸せだけは、ずっと応援してるんだ