さよならベイビー

あんたが置いていった週刊コミックを、あれから何回読んだだろう。

 

あんたの手が届く位置に置いて行ったから、

その手を探して迷った俺の手が、いつもそいつを見つけて帰ってくる。

 

何回も何回も読んで、当たり前だけど何も内容が変わらないし、続きが無い

 

あの日に止まったままの気持ちと同じで、何も変わらないし、続きが無い

 

いい加減、続きを買えって友達が言うけど、

続きを読んだら先に進まないといけない気がして怖いんだ。

 

もう終わりだとしても、あんたが居ないことを認めて、

変わらなきゃいけないのが怖い。

 

なあベイビー

あんたはどっかで、もう続きを始めているかもしれないけど、

俺たち二人のことは、まだここで止まったままだよ、

なんにも変わってないんだ。

 

そうやって、これが最後だからって何回も

あんたが置いていったコミックを読んでるんだ。

 

でも、これで終わりにするよベイビー、

今日コミックを読んだらゴミ箱に捨てて、新しいのを買いに行くよ。