神様とサーフィン

神様にお願いする時は、自分のことじゃなく誰かのことをお願いするといいらしい。

神様たちの唯一のトレンドである、自己犠牲の波に乗っかった俺は心底そう思う。

 

あんたがキュートな手を合わせて、毎日のお祈りをするように、

俺だって「あんたにいい事がありますように」って

クレイジーな愛をお願いしているんだ。

 

神様はハイエンドスマホ並みに全知全能だから、あんたにとって何がいい事か

ファミレスのメニューみたいに金額まで書き出して、吟味してくれるはずだ。

 

だから、アパートの廊下でぶつかりそうになって紳士的にあんたをハグしたことや、

旅行のお土産を持っていった時に部屋着のあんたが、ノーブラだった事とかも、

きっと神様があんたにとってのいい事をくだすったんだと信じている。

 

そして今日は、綺麗な本の表紙みたいにタイトなスーツが決まっているあんたに、

懺悔よりも上手く懺悔して「そのLOVEで俺の悩みを救ってくれないか?」って、

神様、どうか代わりに言ってくれないか?

 

俺よりあんたの方が、

毎日のお祈りで彼女を口説き慣れてるような気がするんだよ。