じゃあ、俺以外の妙齢の男で、誰が、
あんたのことを真剣に考えているのかを、
簡潔に伸べてから、泣くのを止めて、
さっきの暴力について謝ってもらっていいかな?
そうだね、パパは除こうか。
妙齢って言い方が悪かったね、
年の近い男で探そうか?
男を探せなんて言ってないよ、また言い方が悪かったね、
それと、とりあえず殴るのは止めようか?
みんなが見てるから。
ごめんって、だから殴らないでくれ。
みんなのことは関係ないね、俺たちの問題だものね。
一回、落ち着こう。
一回、落ち着いて、誰も責めてないから、
一旦、深呼吸しよう。
それと、こういう時って腕とか胸とかに、
バカバカって、ポカポカって、やるんじゃないの?
みぞおちとかアゴとか脛とか急所を狙うのは、何でなの?
弱らせて勝ちたいの?
もう、ちょっと、ホントに止めて、膝に来てるから。
痛い痛いって泣き叫んでるけど、
俺のタマを取ろうとした正拳突きを防御しただけで、
加害者なのに被害者面した演技力が、
プロの当たり屋の人も勉強になりますレベルじゃん!?
あまりにもオシャレな街のシャレオツな店のフロントで、
唐突に始まった、このふれあい参加型ミュージカル「修羅場」
戸惑ってるお店からの視線に「あ、大丈夫ですから」って、
今、正に燃えている家の窓から手を振っているのに
「よそでやってもらっていいですか?」って、
ちゃんと見ず知らずの俺の心情を読めよ!
俺は働いてないんだぞ!
作者の気持ちを述べよ問題なら、
先生に呼び出しくらうくらいの珍回答だぞ!
俺は働いてないんだからな!
だからそんなにも、人間味のない前髪になるんだ
でも、出来たらでいい、
どうか、お巡りさんに通報してくれ。
無職が普段なら絶対に会いたくない、
あのナイスガイを呼んでくれ。
あんたがその、人間味の無い前髪に相応しい能力者なら、
神様にも伝えて欲しい
「今、俺を助けてくれないなら、もう俺の、
働く綺麗なお姉さん画像コレクション極選は、
そっちに持っていかない」って
ああ、ベイビーから敵認定されてる俺には、
どこいってもよそなんだ。
もう、世界のどこにもいき場所がない。
泣きわめいているメンヘラと、
インチキブランド前髪野郎に囲まれて、
上辺も取り繕わない自分の生き方に、
ほとほと愛想もつきるころ
ああああ、俺の中の悪魔が囁く
「お前も無職にしてやろうか!」
静まりかえる空間は、携帯のシャッター音すら置き去りにした
さ、ベイビー帰ろう、またお巡りさんが来るよ