笑い泣き

一人じゃ大きめだったテーブルを、

いつの間にか完全に二人用にした食卓に、

朝のぼやけた光が差し込んで、

時間の都合で全然ふっくらしてないホットケーキを食べる。

 

あの、いつもの狭苦しいキッチン。

 

ホットケーキに目玉焼きと牛乳って、

考えたようで考えてない献立が、俺たちにはお似合いで、

あの頃は何とも思ってなかった。

 

いーや、俺はなんでこんな惨めな暮らしをしてるんだろう?って、

目の前にいるあんたの存在すら、結局は馬鹿にして、

自分のことばかり慰めてた。

 

人で溢れている町中をガラガラで詰まってない心のまんま、

急いでんのか立ち止まりたいのか分からない気持ちのまんま、

毎日毎日、自分に嘘を付きに行ってたよ

 

悪かったことばかりで、どれが決定打か分からないまんま、

居なくなって大切だと分かった人が出ていった。

 

更に悪いことには、そこから心が軽くなって生活が楽になっていった。

 

たから、もう、絶対に戻れない。

 

ベイビー、あんたは怒ってたのか?

それとも悲しかったのか?

いなくなった今なら、ちゃんと受け入れることが出来そうなんだ

 

嘘みたいで本当に最悪の冗談だ

 

今、あの全然ふっくらしてないホットケーキが食べたい。

 

あの狭苦しいキッチンで、朝のうるさい情報番組を聞きながら、

二人揃って食べたら、笑えるほど幸せだろうけど、

 

俺はダメになるほど泣くんだろうな