古き良き勇者

テレビゲームでお馴染みの

「伝説の剣が抜けた跡まんじゅう」が売られていて、

俺のいやらしいことをするためにある手に相応しくない、

神々しい剣が握らされているとこを遠慮がちに考慮しても、

ここは夢の中だ。と思う。

 

だから魔王的な不審者が、

あの有名な「もしワシの味方になれば、世界の半分をやろう」を、

ピコピコ音で喋ってる

 

「いや、もう毎日カニが真っ直ぐ走るくらい忙しいし、

世界の半分貰っても地方自治的な、

ヤることヤらされるんだろうから、

自分らで手分けて頑張ってよ」って、

ゆとりゆとりした極論でサヨナラしようとしたんだ

 

そしたら魔王が

「毎日、毎日、同じことの繰り返しで満たされるのか?

お前が欲していたものは、そんな刺激のない、

くだらない生活なのか?」って、急に心の隙をつく、

不倫の発端地味た、変化球を投げるから

 

「あんたの言う刺激は戦いとか、勝敗とかで、有名になって

チヤホヤの出来立てホヤホヤみたいなやつだろ?

俺はそんなものより、誰かと飯を食って笑って、

今日も楽しかったって眠りたいんだ。

毎日毎日それを更新し続けたい。

魔の王のくせに、

中坊みたいな有名になりたい願望で釣ろうとするんだな」って、

実物はショボい感を出したんだ

 

そしたら魔王が

「私だって好きなことやってたい!

半分くらいめんどくさいの貰ってくれてもイイじゃん!」って、

ギャルギャルしい嘆きしたから、良く見たら、

出会った頃はこんな日が来るとは思わずにいた、

俺のベイビー、あんたじゃないか!?

 

まあ泣かないで、

とりあえずそこにある白雪姫用のリンゴでも半分こにして食べてから、

相談に乗るよって、雪崩式ピロートークに持ち込もうとしていたら、

まさかの夢で寝ようとしていたシーンから叩き起こされた。

 

もうそっちが異世界と思いたい見慣れたベッドで、

魔王よりも魔王魔王したあんたが「マオって誰!どこの女!」って、

寝起きの人に言うべきじゃない声量で怒鳴ってる

 

目覚めて怒号なんて、古き善き新妻スタイルに

「とりあえず落ち着いて話を聞いてくれたら、

俺の朝食の全財産である、デリバリーのピザを半分やろう」

 

という俺の提案は、俺を倒して更にピザは全部食べちまうであろう、

勇者ベイビーにはピコピコ音にしか聞こえないだろう。

 

ああ、どこからか「死んでしまうとは情けない」って叱咤の名言が聞こえる。

 

今日も刺激的な1日になりそうだ。